【ホープフルS予想】

重賞予想

 今年の中山は例年のこの時期に比べてかなりの高速馬場。内側の馬場も傷んでおらず、前目で競馬をした馬がそのまま残りやすい。ということで、普段なら狙っていきそうな重めの血統や時計のかかる馬場が得意そうなタイプではなく、主流血統でありスピードに長けた馬を狙っていく。かつ、先行力の高い馬が望ましいが、2歳馬の数戦で脚質を予想するのは困難なのでそこまで重くは見ない。

 まず今年の出走馬を見て思うのは、とうとうディープインパクトやハーツクライといった大種牡馬の産駒が去り、種牡馬争いの過渡期に入ったなということ。中でも日本向きのスピードを持ち、絶対的な能力が高くスケールを感じさせるのはハーツクライの血を引くスワーヴリチャード。先日の有馬記念や同日開催の中山でハーツクライ産駒が好走していた通り、今の馬場にマッチするのは間違いない。また、ドゥラメンテも今の馬場では間違いない。有馬記念でもスターズオンアース、タイトルホルダーが好走していた(特にタイトルホルダーに関しては今の馬場の恩恵を相当に受けたはず)。逆に今回は積極的に軽視していきたいのがスピードが足らない種牡馬たち。キタサンブラック、サトノダイヤモンド、ゴールドシップ、キズナ、その他サンデーの血を引かない父を持つ馬は減点とした。

 能力が高く簡単な血統評価では軽視できない馬を個別で見ていく。まずゴンバデカーブースは、父と母の配合のバランスが良い。米×日×仏の配合で日本の主流馬場向きの馬といえる。ただ、1枠1番は非常に難しい。ブリモル産駒は揉まれ弱い傾向にあり、強みを活かすなら逃げるか最後方に下げるしかない。近2走も馬群に入る競馬はしておらず、多頭数最内枠の今回で凡走する可能性は高い。シンエンペラーは凱旋門賞馬ソットサスの全弟。能力の違いで府中や京都でも勝てているだけで、本質は時計のかかる馬場だろう。今の中山なら走らない可能性に賭ける価値はある。

 血統背景をクリアし、能力も高く買いたい馬は以下。
ヴェロキラプトルはスワーヴリチャード産駒で母父にGiant’s Causeway。スピード豊かな配合で、近2走は府中千八、阪神千八とともに軽い馬場で先行力と長く良い脚を活かして2連勝。今の中山には合うタイプ。
レガレイラも同じくスワーヴリチャード産駒で、母父はハービンジャー。兄に瞬発力の塊のようなドゥラドーレスがおり、母ロカは母系を辿るとウインドインハーヘアがいる良血。前走は超スローで位置取りの差がそのまま結果になっただけで、上がり最速も使っており全く悲観する内容ではない。強かった前々走を考えれば牡馬に混じっても十分通用する。阪神JF2着のステレンボッシュと同牝系。
ミスタージーティーは出走馬唯一のドゥラメンテ産駒で、母父にSadler’s Wells。血統的なスケールの面でいえば出走馬でもトップクラス。種牡馬過渡期において、中距離戦線では頭一つ抜けているドゥラメンテがこの馬しかいないというのは強み。前走も着差こそ小さいが内容を見れば能力は明らか。ラスト4F目から11秒台が続き、ラスト1F11.5のハイラップの中この馬だけが違う脚色で突き抜けた。阪神JF勝ちのアスコリピチェーノと同牝系。

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